梁石日おすすめBest10小説

1位『血と骨』★★★★★

1930年頃、大阪の朝鮮人密集地域で働く金俊平は、その巨漢と凶暴な性格で極道からも恐れられていた。ある日、太平産業では朝鮮人労働者の解雇をめぐる激しい労働争議が起こるが、それは太平洋戦争前夜の暗い時代の幕開けに過ぎなかった。

2位『闇の子供たち』★★★★★

貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセンラーは、もはや生きているだけの屍と化していた。アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。幼児売春。臓器売買。モラルや憐憫を破壊する冷徹な資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く衝撃作。

3位『Z』★★★★★

 在日朝鮮人作家・朴敬徳(パク・キョンドク)は,両親の生まれ故郷・韓国済州島を訪れ,自分が戸籍上,死亡していることを知る。その背後には,韓国の暗部に潜む「Y秘密組織」,そして謎の虐殺者「Z」の影がちらつく。朴敬徳が事件の果てに見いだした真相とは・・・。

4位『夏の炎』★★★★★

「おれはちがう。おれは朴正煕の屍におれの名前を刻み込んでやる。それだけだ」―在日朝鮮人の宋義哲は自らを奮い立たせるように言い放った。一九七四年夏。二三歳のテロリストは大統領を標的に、韓国、北朝鮮、日本、アメリカの政治謀略が渦巻く闇の底へと疾走していく。宋義哲の愛と魂は救われるのか?

5位『シネマ狂躁曲』★★★★★

原作者として、役者として、在日作家のソン・ヨンスが関わった映画制作の現場は、映画の魅力に取り憑かれた人間たちの修羅の巷だった。日韓の流儀が対立する撮影現場での諍いや、背を焼くような資金繰りの苦労。完成するのか?しないのか?極限の人生を生きる梁石日だけが描き得る、驚天動地の人間ドラマ。

6位『睡魔』★★★★

タクシー運転手の趙奉三は交通事故で瀕死の重傷を負って以来、失業中だった。何とか極貧から脱出したい趙は、悪友の李南玉に健康マット商法に誘われ研修会に参加し、いつしかのめりこんでいく…。金に目がくらんだ男女を狂わせる完璧なシステムと巧妙なマインドコントロール。

7位『カオス』★★★★

台湾人からもちかけられた漢方薬の売買によって、歌舞伎町の抗争に巻き込まれたテツとガク。見返りに中華料理店の名門『龍門』を手に入れるが、麻薬を狙う蛇頭の執拗な追跡が始まった……。 裏社会で生きる人間の真実を描く傑作大長編。

8位『夜の河を渡れ』★★★★

欲望の渦巻く街、新宿・歌舞伎町。その只中でホテトルを営む若者、李哲博と朴政道。かつてはボクシングとサッカーの名選手だった二人だが、いまは挫折感にもどかしい日々を送っていた。一発逆転を夢見る彼らはポーカー賭博をはじめ、次々と手を広げていく。アウトローたちの青春を鮮烈に描く傑作長編。

9位『表と裏』★★★★

裏金作りに使われる金券ショップの秘密を明かすかつてない金融サスペンス!大企業の計画倒産の裏で暗躍する金の亡者たち。男たちに翻弄されながらしたたかに生き抜く女。瀬戸際の攻防の先に見えるのは天国か、地獄か。

10位『族譜の果て』★★★★

印刷会社を経営する高泰人は、不況に喘ぎながらも自宅を新築し、借金地獄に陥った。しかも自転車操業を繰り返すうちに金銭感覚が麻痺して……。飽くなき欲望の魔力と運命の意外な陥穽とは?